特集:FXE、さらなる高分解能へ
4月 20, 2026
産業部品の小型化が進む中、材料科学、電子機器の故障解析、生体サンプルの観察など、さまざまな分野において微小欠陥の検出にはX線検査が不可欠となっています。 同時に、ユーザーが解析や意思決定により多くの時間を割けるよう、高品質なデータをできるだけ短時間で取得することも重要です。そのためには、高出力のX線と安定した高分解能ビームが求められます。 FXE-160 Nano CTは、外部冷却技術と高分解能性能を組み合わせることで、ラボ用途における幅広いアプリケーションに対応し、サブミクロンレベルの欠陥を迅速に検出します。
分解能の向上
FXE-160 Nano CTモジュールの最大分解能をさらに高めることで、高出力ターゲット使用時には 0.7 µmの分解能を実現しました。図1は一般的なマスクサンプルを撮影した画像を示しており、0.7 µmの微細構造が明確に分離して確認できます。縦方向および横方向の構造も、高いコントラストで同時に鮮明に描出されています。
注:このような高分解能を実現するためには、光学倍率や検出器の適切な選定など、イメージングチェーン全体の最適化が必要不可欠で、これらはインテグレーターの役割となります。
また、各フォーカスモードにおける最大出力密度も向上しています。これにより、分解能の向上に伴う出力面でのトレードオフは発生しません。従来と同等のスキャンスピードを維持したまま、より微細な構造の描出が可能になります。
高出力モードでは、最大 15 W のターゲット出力で 2.8 μm の分解能を実現。マイクロフォーカスモードでは、最大 10 W で 1.8 μm の分解能を達成します。さらにナノフォーカスモードでは、高出力ターゲット使用時に最大 1.6 W で 0.7 μm の分解能を実現します。
“各フォーカスモードにおける最大出力密度の向上により、分解能を高めても出力面で妥協する必要はありません。”
Christopher Nicholson (プロダクトマネージャー)
高い安定性
FXE-160 Nano CT の高分解能性能を最大限に引き出すには、外部冷却オプションとの組み合わせが効果的です。外部冷却による焦点の安定性が大幅に向上し、特に超高分解能での撮影や3Dトモグラフィによる高精細な再構成画像の取得において重要な役割を果たします。
また、冷却機構により長時間の連続運転でも過熱を防ぎ、安定したスキャンを維持することが可能です。
外部冷却が画像性能に与える効果を検証するため、時間経過に伴う焦点の位置変動を測定しました。測定は FXE-160 Nano および FXE-160 Nano CT モジュールのマイクロフォーカスモードで行い、冷却あり/なしの条件で比較しています。図3aはその結果を示しており、その差は明確です。
各円の直径は、時間ごとの焦点の位置変動(ドリフト量)を示しており、色の違いは時間の経過を表しています。
冷却を使用した場合、ウォームアップ30分後の1時間における総ドリフト量はわずか 2 µm に抑えられました。一方で非冷却では同条件で 18 µm のドリフトが発生しています。
この焦点の安定性向上は、図3bおよび3cのテスト画像にも明確に表れています。冷却を使用することで焦点の揺らぎが低減され、より微細な構造(紫の矢印)が識別可能となります。さらに、10 µm 程度の比較的大きな構造(赤枠)においても、コントラストが大きく向上しています。
FXE-160 Nano CT は、0.7 µm の高分解能、高い出力密度、そして優れた焦点の安定性を実現しています。
図3:冷却の有無による比較結果
a)FXE-160 Nano (左) および外部冷却を適用した FXE-160 Nano CTモジュール (右) のドリフト測定結果
b)冷却機構使用時のテスト画像
c)冷却機構未使用時のテスト画像
改良された FXE-160 Nano CT のメリット
- より微細な欠陥検出を実現
高出力ターゲット(HPT)により 0.7 μm の分解能を達成し、微小構造の高精度な観察が可能になります。 - スピーディーな検査プロセス
すべての動作モードで出力密度が向上し、高品質なイメージングを短時間で実現します。 - 信頼性と再現性の向上
焦点の安定性向上により、長時間の測定や高分解能撮影においても安定した画像取得が可能です。
コメット・エックスレイは、サブミクロンレベルの検査や、イメージング性能の限界に挑むお客様をサポートします。アプリケーションやシステム構成について、ぜひお気軽にご相談ください。
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